東京ピアノ・アンサンブル・グループについて

東京ピアノ･アンサンブル･グループは、1975年（昭和50年）に、古村義尚氏によって結成されました。1978年に東京文化会館において「第1回定期演奏会」を開き、その後、毎年「定期演奏会」と「ピアノ・コンサート」を開催し、前者では二台ピアノ、後者ではピアノソロの演奏をしました。

このグループの最も特徴的なところは、二台ピアノだけの演奏会を毎年開催していたことです。それは、当時はまだあまり知られていなかった二台ピアノを普及させたい、という古村義尚氏の強い思いからでした。氏が二台ピアノを推奨する理由は、「演奏者には、音の響きの層に楽しみを感じながら調和を探究し、アンサンブルの力を高める経験をして欲しい。」ということと、また、「聴く人には、ソロピアノ演奏にはない迫力を楽しんで欲しい。」という、指導者と企画構成者の二つの視点からだったのではないでしょうか。

「定期演奏会」のプログラムは2人で演奏する二台四手と、4人で演奏する二台八手からなり、アンコールは6人で演奏する二台十二手というスタイルでした。当時、二台四手の楽譜は、数は少ないですが出版された作品がありました。しかし、二台八手や二台十二手の楽譜はありませんでした。古村義尚氏は、二台ピアノのオリジナル曲を作曲するとともに、数々の名曲を二台のピアノ用に編曲していきました。特に、オーケストラの曲を二台八手に編曲した作品は、オーケストラとはまた違った味があると好評を博し、4人が一体となって奏でる音楽を聴くことを楽しみにする観客が増えていきました。演奏をする会員も結成当時は5名でしたが、演奏会を重ねるごとに増えて100名近くになりました。

順調に活動が続く1991年、古村義尚氏は、病により突然帰らぬ人となりました。その後、1993年「追悼演奏会」、1994年「出版記念演奏会」を開催しました。

現在も会員は全国各地において、古村義尚氏の音楽と数多の教えを胸に、演奏者・指導者として活動すると共に、二台のピアノの素晴らしさを伝えています。

東京ピアノ･アンサンブル･
グループの歩み

1975年　5月

古村義尚氏を中心にグループを結成する。

1978年　5月

東京文化会館小ホールにて第1回定期演奏会を開く。

1978年　10月

東邦生命ホールにて第1回ピアノ・コンサートを開く。

1979年　5月

東京文化会館小ホールにて第2回定期演奏会を開く。

1979年　9月

東邦生命ホールにて第2回ピアノ・コンサートを開く。

1979年　12月

日比谷公会堂にて行われた「第1回スペイン音楽祭」に6名出演。

1980年　7月

石橋メモリアルホールにて行われた「第4回ベック合奏団定期演奏会」に2名出演し、サン＝サーンス作曲、"動物の謝肉祭"を演奏。

1980年　9月

東京文化会館小ホールにて第3回定期演奏会を開く。

1980年　9月

青森市立古川中学校講堂（18日）、沖館中学校講堂（19日）にて、スクール・コンサートを開き、10名出演。

1981年　5月

東邦生命ホールにて第3回ピアノ・コンサートを開く。

1981年　6月

東邦生命ホールにて第4回ピアノ・コンサートを開く。

1981年　12月

日比谷公会堂にて行われた「第2回スペイン音楽祭」に10名出演。

1982年　1月

第一生命ホールにて第4回定期演奏会を開く。

1982年　6月

東邦生命ホールにて第5回ピアノ・コンサートを開く。

1983年　1月

日比谷公会堂にて第5回定期演奏会を開く。

1983年　2月

日比谷公会堂にて行われた「第3回スペイン音楽祭」に8名出演。

1983年　6月

東邦生命ホールにて第6回ピアノ・コンサートを開く。

1984年　1月

青森市文化会館にて「ピアノ連弾の夕べ」を開き6名出演。

1984年　6月

東邦生命ホールにて第7回ピアノ・コンサートを開く。

1985年　1月

第一生命ホールにて第6回定期演奏会を開く。

1985年　5月

日比谷公会堂にて行われた「第4回スペイン音楽祭」に8名出演。

1985年　6月

東邦生命ホールにて第8回ピアノ・コンサートを開く。

1986年　1月

東京文化会館小ホールにて第7回定期演奏会を開く。

1986年　10月

東邦生命ホールにて第9回ピアノ・コンサートを開く。

1987年　6月

東京文化会館小ホールにて第8回定期演奏会を開く。

1987年　11月

第一生命ホールにて行われた「第5回スペイン音楽祭」に12名出演。

1988年　7月

ルーテル市ヶ谷センターにて第10回ピアノ・コンサート第一夜を開く。

1988年　8月

ルーテル市ヶ谷センターにて第10回ピアノ・コンサート第二夜を開く。

1989年　1月

第一生命ホールにて第9回定期演奏会を開く。

1989年　8月

ルーテル市ヶ谷センターにて「八手連弾の夕べ」を開く。

1989年　8月

青森市民文化ホールにて「八手連弾の夕べ」を開く。

1990年　3月

東京文化会館小ホールにて第10回定期演奏会を開く。

1990年　12月

東邦生命ホールにて第11回ピアノ・コンサートを開く。

1990年　12月

東邦生命ホールにて第12回ピアノ・コンサートを開く。

1991年　7月

ルーテル市ヶ谷センターにて四夜連続「二台のピアノによる演奏会」を開く。

1993年　2月

東京文化会館小ホールにて「古村義尚氏追悼演奏会」を開く。

1994年　7月

ルーテル市ヶ谷センターにて「出版記念演奏会」を開く。