楽譜について

定期演奏会で演奏された曲は、古村義尚氏が作曲や編曲したものが大部分を占めました。その楽譜は氏による手書きで、印刷かと見紛うほど几帳面に整っています。氏が書いたスコア譜を二台分の練習パート譜や演奏会用の楽譜に製本したのは、夫人の朝霞氏でした。今のようにパソコンのない時代のことです。

スコア譜をコピーして一段ずつバラバラに切り離し、それを貼り付けてまたコピーをして、それを繋げて貼って表紙をつける。莫大な時間と労力をかけて、演奏会の度に、世界でひとつしかない手作り楽譜が生まれました。

楽譜は長い間、門外不出とされていました。しかし、時を経て、古村義尚氏の二台ピアノを普及させたいという意志に立ち返ると、楽譜を広く大勢のピアノ演奏者や学習者に弾いてもらうことこそが、氏の望むことなのではないかという考えに至りました。（古村朝霞氏の文章と言葉をもとにまとめました。）